2006年01月29日

学生ビザ(F-1ビザとM-1ビザ)の有効性と修学の一時中断について

今回は学生ビザ(F-1ビザ、M-1ビザ)についての話題をご紹介したいと思います。多くの日本人もアメリカに留学していますが、学生ビザに関しては、学校が主導権を握る部分が多いのが現状であり、法律家が直接「噛む」という場面は就労ビザへの変更などの場合くらいでしょうか。しかし、学生の方が悩んでしまうポイントというのが結構あったりします。同時テロ事件以来、学生ビザに関してはルールを厳格に運用しており、学生の皆さんは地雷を踏まないように気をつけなければいけません。

今回、修学をなんらかの理由で一時中断してしまう場合、学生ビザの滞在資格の維持はできるのか、というポイントにつき、移民局が見解を示しましたので、ご紹介しておきたいと思います。

まず、2つの場合をイメージしておきたいです。ひとつは、学生が学校のなんらかのプログラムを終了し、次のプログラムに参加する場合です。学士を得て修士に進む場合です。もうひとつの場合は、プログラムの終了を待たずに学校を変わるという場面でしょう。これらの2つの場合に、変更元のプログラムと、新たに参加するプログラムに参加するまでの中断期間は最大で5ヶ月ということが明らかにされました。細かいですが、変更元のプログラムを終了した日、もしくはプログラムをやめた日から、5ヶ月間がカウントされます。この5ヶ月間を越えると、自動的に学生ビザに関する違反があったということになりますので、そのまま滞在をしていると、不法滞在と考えられてしまいます。ですので、何もしないことは問題になりますから、移民局に対して、学生ビザの再効手続(reinstatement)をしなければなりません。この手続に関しては学校側が情報を持っているかもしれませんね。ちなみに、再効手続に関しては8 CFR214.2(f)(16)(i)(C) と8 CFR 214.2(m)(16)(i)(C)という法律に沿って行われなければなりません。再効手続にそって、学生ビザを再度有効にしてもらいたいと申請した場合、移民局はその申請を認めるか却下をするか、選択があります。
却下された場合には、その却下の日から学生ビザが失効してしまいますから、その時点でアメリカを出国する必要がでてきます。アメリカから出国した場合、再度学生ビザを申請することは可能ですが、再申請の際、大使館は「なぜ、長期間(5ヶ月以上)その学生が学校に行かなかったか」という理由につき実質的に審理を行いますので、ちゃんとした理由を添えないと再度の学生ビザの交付を受けるのは難しいかもしれません。

次に、学生ビザを持つ外国人が休みをとって、自国に帰るということがあると思います。その場合、5ヶ月以上アメリカを離れてる場合には、学生ビザは失効するとみなされます(22 CFR 41.122(h)(3))。5ヶ月以上アメリカを離れている外国人学生は、継続して学生ビザを保持しているとはみなされません。もし、5ヶ月以上アメリカを離れている状況で再入国しようとすると入国管理官は裁量で、入国を拒否することができます。学生ビザのスタンプが有効なように見えても、入国を拒否されてしまう可能性があるのです。5ヶ月以上アメリカを離れる場合には、新しいビザを申請しなくてはならなくなりました。そのためには新しく、I-20を学校から取得しなくてはいけません。もしなんからの事情で一旦学校を長期休校する場合には、現在存在するI-20の情報を取消して、再度新たなI-20を発行してもらう必要があります。勉強や学校側の理由で5ヶ月以上アメリカを出国する場合には、新たなI-20は必要ありませんが、学校側と相談をする必要はあると思います。
それではまた次回までさようなら。  
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2005年12月02日

学生ビザ(Fビザ)申請における通達について

今回はちょっと私が風邪を引いていたので、じんけんニュースの執筆が遅れてしまいました。ちょっとした風邪だったのですが、やはりいろいろ影響がでてしまいます。楽しみにじんけんニュースをお待ちいただいている皆さんにはご迷惑をおかけしました。皆さんも季節の変わり目ですので、お体の調子には充分注意してくださいね。

さて、今回は学生ビザに関する話題です。
最近、アメリカ国務省は各国にあるアメリカ大使館・領事館に対して、学生ビザに関しての通達を最近出しました。ご存じの方も多いように、アメリカで学生をする場合には、外国人は通常Fビザ、専門学校などに関してはMビザという査証が必要になります。この学生ビザを取得するには一般的にはいくつかの要件を満たさなくてはなりませんが、大使館・領事館における裁量が加わる場合も多いのが現状でした。今回の通達によって、要件をどのような情報や書類をそろえれば充足したとみなされるのか、ある程度アメリカ政府の明確な方向性が示されました。私は非常に良いニュースだと思います。以下、いくつかのポイントがありますので、箇条書きっぽくなってし
まいますが、順次考えていきたいと思います。

まず、学生ビザを得るための要件として「自国に帰る意思」というのが要求されます。もちろん、他の非移民ビザについても同じように「自国に帰る意思」が要求されるのですが、今回の通達は学生ビザに限るものです。この「自国に帰る意思」というのは査証を受けられるかどうかの決定に非常に影響します。学生ビザを申請する外国人にとって、どのようにして「自国に帰る意思」を査証申請の際示していくかというと、たとえば、家族が自国にいるとか、住む場所が自国にあるとか、自国に帰ってきたら仕事があるとか、といった内容の情報や書類が必要になってきます。

ところが、実際学生ビザを申請しようとする外国人は若い人が多かったり、仕事を将来にらんで勉強をアメリカにしにいくという人が多いわけです。そうすると、自国に家を持っていたり、税金を払っているといった証明はし難いことが多くあります。また、アメリカに勉強をしにアメリカにいくという場合、ある程度の時間的な計画はあるでしょうが、その計画に沿って勉強が修了するとは限りません。このように学生としてアメリカに行きたい人には不安定な要素があるのが常なので、申請においても不安な要素になってしまうわけです。

このような状況をアメリカ国務省は理解をした上で、今回の通達により、学生ビザの申請に際して「自国に帰る意思」があるかどうかは、そのビザ申請の時点のみの事情で判断しなくてはならない、ということを通達しました。つまり、将来的にそのビザ申請者が自国に戻らない可能性があるのではないか、という推測はしてはいけない、ということを明確にしたのです。よって、ビザ申請時に、自国に帰る意思がある、ということさえ示せればビザを発給されるということが明確になったのです。ですから、これからは、将来的に学生は日本に帰るのか、帰らないのかと先読みされることはないので、しっかり申請時点で、勉強が終わったら帰るつもりです、という意思を書面にするなりして示すことが大事になるのです。

次のポイントですが、学生ビザの更新についても、大きな事情の変化がない限り、できるだけ発行を許すという方向にするようにという通達の内容があります。すなわち、ビザスタンプが更新されないとアメリカを出入国することができなくなり、現在学生をしている外国人は、アメリカ再入国を拒否されてしまう可能性を恐れて、アメリカから出国できなくなってしまうという事態が発生します。今回、アメリカ国務省はこの事態があることを理解し、出来る限りビザの更新を許す方向で審査を行うことにしました。

第三のポイントですが、Fビザ申請時に各学校からI−20という書類を得ることが要件となりますが、どのような学校であるかということで申請の許可、不許可を決めてはならないことを通達しました。すなわち、英語学校であろうと、博士課程であろうと学校であることは変わりなく、どのような勉強をするかどうか、ということでビザの発給を左右してはいけない、ということを明示したのです。I−20を発行できる学校であれば、移民法上どこであろうと同等に評価を受けなくてはいけないのですね、まあ、考えれば当たり前ですけど。

今回は長い通達で、他にもいくつかポイントはありますが、以上がメインなポイントだと思います。いままで不安な要素があった学生ビザ申請ですが、ある程度明確な基準が示されたことになり、これから学生ビザを取ろうと思う人、更新しようと思う人には朗報なのではないでしょうか。ということで今回はここまでにしておきます。また次回までさようなら。  
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2004年07月31日

学生ビザからHビザへの切り替えにおける猶予期間の延長について

最近クライアントの方からサントリーのオールドをもらいました。ある世代の方はダルマと呼んでいる黒くて丸い瓶のやつです。ほとんどアメリカでは呑む機会がないウイスキーですが、呑んでみるとなかなか喉ごしが良いです。サンフランシスコでウイスキーを呑みながら日本食を食べるという機会にはなかなか出会いませんが、ダルマであればあうかもしれませんね。サントリーというのは不思議な会社で、文章が卓越した人材を輩出していますね。私が大好きな開高セニョールもダルマの「寿」ラベルについて興味深い小説を書いていますしね。お酒の話はこの辺にして、Hビザに関する話題について今回は考えてみましょう。

Hビザの申請に関して、2004年度(2003年10月から働けるビザ)分は、今年(2004年)の2月17日にすでに上限発行数(6万5千件)に達してしまいました。ですので、今、仮に申請をしたとしても、2004年の10月1日から働けるHビザしか受け取れない状態となっています。ということは、今Hビザを欲しいと思っても、有効期限は2004年の10月1日からとなってしまうのです。このHビザ不足で困った事態が生まれました。ある外国人がなんらかの非移民ビザを持っていて、現在Hビザにステータスを変更したいと思っていても、Hビザの有効期限は今年の10月1日からということは決まっていますから、それまでなんらかの合法的なステータスをアメリカ国内で維持しなくてはなりません。今年の10月まで合法的なステータスを持っていられる人であればまったく問題はありませんが、学生ビザを持ちながら、就職をしようとしている人には非常に深刻な打撃となっています。つまり、学生ビザ(FまたはJビザ)は、学校やプログラムの終了時に基本的には失効します。もちろんプラクティカル・トレーニングなどの例外はありますけどね。学生、またはプラクティカルトレーニングのステータスを失っても、アメリカ国外にでるための猶予期間がそれぞれ60日間、30日間と与えられています。この猶予期間が経過してしまった上でアメリカに滞在していると不法滞在と見なされてしまうので、Hビザを待つためにはいったんアメリカ国外に出る必要があることになってしまいます。

このポイントに関して、アメリカ移民局は猶予期間の延長を認めることになりました。法律のレベルではなく、移民局内の通達のようなものなので、100パーセント頼るのはどうかと思いますが、FまたはJビザを持つ外国人学生が2005年度分(2004年10月から就労可)のHビザを申請する場合には、猶予期間をHのビザ申請の結果が移民局から出されるまで延長することを決めました。就職先が見つかって、ビザの申請もしているが、猶予期間を超えてしまうのでは・・・と不安に思っていた学生さんには朗報ではないでしょうか。

しかし、JINKEN.COMニュースでこの記事をカバーするのがちょっと遅れたことを謝らなければいけません。この延長の例外規定が認められるのは、雇用主の申請書が2004年7月30日前にされなくてはいけなく、働きはじめるのは10月1日と書いてなくてはいけません。ですから今から焦って、この延長例外を使うのはちょっと難しいのです。まあ、8月以降にプログラムや学校を終わられた方は、プランニングをすれば働きはじめられる10月1日まで、不法滞在とならずにすむので、今回の猶予期間の規定を利用しなくても不利益は生じないのではないでしょうか。 

この猶予期間の規定を利用した場合でも、Hビザ上で定められた就労期間がくるまでは働いてはいけません。また該当する学生ビザ保持者の配偶者もこの規定の恩恵を受けることができます。以上、ちょっとタイムリーではない話題でしたが(といっても、移民局から発表されたのが数日前でした・・・)、また今後もこのような問題が生じる可能性がありますので、ぜひ、こういった措置もたまには出てくるということを覚えておかれてください。それではまた次回まで、さようなら。  
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2002年05月22日

学生ビザに対する制限について

じんけんコム会員の皆さん、こんにちは。皆さんは元気にされていますか。じんけんの掲示板でもいろいろな質問が飛び交っていますが、できればご自身の経験談もどんどん書いていただけると皆さんの役に立つのではないかなと思います。皆さんのご協力をお願いします。 私が答えているだけでは私にとってはあまりおもしろくないですし、いろいろな方のいろいろな経験談を知ってみたいと思っているのです。

さて、今回は昨日移民局から発表された学生ビザに関する話題を考えていきましょう。まず、学生ビザがスポットライトを浴びている理由は、間違いなく2001年の9月11日に起こったテロの事件です。 このテロ事件にかかわった2名の者が、フロリダの航空練習学校において観光ビザ(Bビザ)から学生ビザ(Fビザ)に非移民ビザのステータスを変更していたからです。このステータスの変更は通常の業務では非常に時間がかかりますが、このケースでも10ヶ月以上かかっていたようです。9月11日以降も、このケースファイルを見つけることができず、結局事件から6ヶ月経ってから、この学校に変更許可通知が届いたそうです。

今回、この2名のテロ関係者がアメリカへの入国を何度も繰り返していたようですが、移民局は入国審査に問題があったとは判断していません。ただ、入国に関して書類の検査を厳しくすることが必要であるということを発表しています。

現在、試験的にSEVISというオンラインシステムを使い、外国人学生の情報を管理していますが、この情報管理システムは非常に有益であり、現在の紙をベースにしているシステムに取って代わるべきシステムであることも明記しています。 このSEVISと呼ばれるオンラインシステムを有効に活用するには、移民局の職員の教育も必要だが、各学校に更に厳しい規制を課していくことが必要であると結論しています。

今回のレポートは100ページ以上に上る量ですが、これから学生ビザをトラッキングするシステムや各関係者への法的拘束などが厳しくなっていくことが明らかです。現在は、はっきりした法律はありませんが、移民局内でのルールづくりはこれから活性化してきますので、逐一じんけんでもご報告させていただきたいと思います。
それではまた次回まで。  
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