宗教関係者用非移民ビザ(Rビザ)について
宗教関係者用の非移民ビザとして、アメリカ連邦移民法はRというカテゴリーを用意しています。Rビザというのは一般の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、どのような職種の人が受けられるビザなのか、今回考えておきたいと思います。
お坊さんや牧師さんしかとれないビザと思われがちですが、割に多くの範囲をカバーするビザです。
ミニスターすなわち牧師(仏教では一定の資格をもった僧侶でしょう)が主に取得できる職種ですが、そのほかにも広範囲の聖職者が取得できます。ただ、牧師、僧侶、それに聖職者といっても、宗教によって、そして各団体によって様々な職種がありますので、一概にはどの範囲までがRビザの対象になるかは決められていません。
Rビザを取得できるかできないかの分岐点は、その所属する宗教についてどれだけ深くかかわって、その宗教を広めるためどのような重要なポジションに就いているかどうか、といったところです。聖職に直接ついていなくても、宗教を広めるために、コンスタントにその宗教の行事を司ったり、翻訳を行ったり、また放送を行ったりしている場合には、Rビザの申請資格として認められます。その宗教団体においてどのような活動をしているのか、ビザ取得性のあるポジションは幅広いのです。もちろん、宗教施設において、一般の人でもできるような仕事、たとえば掃除をする人や、コンピュータのセットアップをするような仕事では宗教団体にそれほど深くかかわらなくてもできるわけですから、いくらRビザが受給される可能性が広範囲でも、Rビザの対象外ということになるかもしれませんね。
Rビザのひとつの要件として、その該当する宗教団体に申請までに少なくとも2年間は所属していなくてはいけないというものがあります。ですので、なんらかの方法で二年間所属していた(もちろん給金等を受けていたという証拠は強い)証拠は出さなくてはいけません。そして、最長で5年間のRビザが受給されますが、5年間使い切ってしまうと、アメリカ国外に少なくとも1年間はいなくてはいけません。
アメリカで申請者が所属する団体は、アメリカ法のもとつくられた非営利団体でなくてはいけません。非課税申請を州もしくは(および)アメリカ国税庁に受理されているのが望ましいですね。
期間的な要素として、宗教団体に少なくとも二年間は所属していなければならないという要件は誰にでも理解できてしまう要件ですが、職種については、実は広範囲で、実際に僧侶や牧師の資格を持っていなくても取得が可能な場合がありますので、アメリカで布教を考えられている団体はぜひ、フレキシブルに考えられるとよいかもしれません。では次回また新しいトピックを考えていきましょう。
それでは次回までさようなら。
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18:45
馴染みの薄いU非移民ビザについて
もう秋ですね。肌寒くなってきましたが、皆さんお元気でしょうか。私は今出張中で、ネバダ州にいますが、昼間は半袖でも大丈夫ですが、夜はぐっと冷え込んでいます。とはいっても日中は法廷にいるのでお日様にあたるチャンスはないのですが。
さて、今回は、こんなビザもある、ということでU非移民ビザをご紹介したいと思います。
Uビザは2000年10月に立法化されました。最近になって、移民局がUビザ発行のルールを制定しつつあります。Uビザは、犯罪の被害者である外国人に対して用意されるビザで、犯罪捜査の協力のために発給されます。あまり楽しい目的で発給されるビザではありませんし、できれば使いたくないビザかもしれません。年間で1万件のUビザの新規発行枠が用意されています。日本国籍をお持ちの方は、ビザ無し入国が可能ですが、その他の国の方は理由がしっかりしていないと、アメリカにビザがないと入国できない場合もあります。また、日本人でも90日を超えてアメリカに滞在しなければならない場合には、どうしてもビザが必要になりますので、犯罪の被害者であるという理由でビザが発給されることになります。Uビザは最長で4年間の期間が与えられますが、延長も可能とされています。現時点で約5800件のUビザが発給されています(家族ビザは除く)。Uビザに似たビザでTビザという非移民ビザが用意されていますが、このTビザはアメリカ国内にいる外国人にのみ適用されるので、Uビザであれば、アメリカ国内外にいても適用されるので申請可能範囲が広がっているのです。
では、どのような場合にUビザは発給されるのでしょうか。
4つの要件があります。
まず、Uビザの発給を受けるためには、犯罪の被害者で精神的、または肉体的な被害を受けたことが第一の要件です。どのような犯罪の被害がUビザの対象になるかというと、定義がわざと曖昧に規定されていて、広範です。国際的な売春組織の解明や様々な殺人事件、傷害事件なども含まれます。ドメスティックバイオレンスや性的犯罪も含まれます。
次に、アメリカの捜査機関に協力するということが必要です。すなわち捜査や刑事事件の立件に関しての協力が必要です。アメリカの官権は連邦のFBIや移民局だけではなく、州や郡などの捜査機関なども含まれます。ですので、地元の警察に協力をするという形でも十分にUビザが取得できます。
3つ目の要件ですが、捜査や刑事事件の対象となっている事実について情報を持っている必要があります。
4つ目の要件は捜査や刑事事件の対象となっている事実はアメリカの法律を犯しているか、犯罪行為がアメリカ国内で行われた場合とされています。
Uビザは他のビザと違って、特殊な目的を持つため、手続も通常のビザとは異なります。まず、申請費用は無料ということになっています。もっとも生体識別用の提出書類作成に80ドルはかかってしまいます。フォームについても特殊でI-918というフォームを使います。フォームは移民局のサイトでダウンロードできます。 http://www.uscis.gov/files/form/I-918.pdf
Uビザ申請者の家族もUビザを申請できます。他のビザとこの部分は同じです。21歳以上の申請者であれば、配偶者および子のUビザを申請できます。付帯ビザの申請には、I-918 Supplement Aという書類を使います。もし、申請者が21歳以下であれば、配偶者、子に加えて結婚していない兄弟も申請をすることが可能になります。また、他の非移民ビザと同じように、Uビザ保持者が永住権を申請することも可能です。
今回は概略ですがUビザというビザについて考えました。私も刑事事件の法廷に嫌というほど立っていますが、外国人であるが故に、被害者が証言をしない、とか、強制送還されるのではないかという恐怖心を持つ場面に何度も出会っています。こういった外国人の弱みにつけ込む犯罪も少なからず存在し、弱者保護のためには、このようなUビザのルールを移民局が積極的に公表していくことは良いことだと思っています。Uビザの発給手続が明確になって、「外国人だから被害者となってもあきらめる」というような状況は幾分か解消できるはずです。被害者保護のために、刑事弁護を引き受ける弁護士にも浸透させていきたいと私自身も強く考えています。
それではまた次回新しいトピックを考えていきましょう。
Posted by jinkencom at
18:18