2007年08月17日

犯罪歴とビザ申請

最近、永住権の申請に関して、移民局の通達の変更が激しいのですが、結構問題になってくるポイントが、「過去に飲酒運転で有罪となったことがある」といった方々のケースです。
永住権の許可申請に関して在日米国大使館または領事館でも面接をすることができます。提出書類自体は同一のものではありませんが、おおまかに言うと非移民ビザの許可申請と同じような方法で面接や申請書類のチェックがされることになります。これらの在日米国大使館・領事館に申請書を提出する上で、ひとつ問題となるのが、過去の犯罪歴に関する事項です。少し前のじんけんニュースにおいて、ビザ申請に影響する「犯罪歴」については詳しく考えました。ですので、どのような「犯罪歴」があると入国が難しいか、ということはその回を参照していただきたいと思います。
今回は、手続的なポイントに絞って考えていきたいと思います。

まず、簡単に言うと、過去にアメリカで有罪もしくは有罪類似の判決を受けた場合、日本においてビザや永住権を申請しようとすると、その過去の犯罪歴のチェックが大使館・領事館から行われることになります。
特に2001年同時多発テロ以降、アメリカ連邦政府はシステムを強化して、様々な情報を得るようになっているのです。犯罪歴がある場合は、入国を許して問題が発生しないかどうか、慎重に判断されることになります。アメリカ大使館・領事館のサイトでは、「追加手続が必要」と記載されていますが、要するに犯罪歴のチェックに関して様々なデータベースを確認するのです。そのため、過去の犯罪歴が存在する場合には、永住権・ビザの申請から許可を受けるまで数週間から数ヶ月という長い時間が必要になります。ですので、犯罪歴がある場合には、必ず永住権やビザの申請を早め早めに行うことが大切なのです。また、注意したいのは、過去にアメリカにおける犯罪歴があると、再度アメリカに入国する際にはビザなどが必ず必要になりますので、ビザ無し入国を試みないでください。

在日米国大使館のウェブサイトには、申請書類とともに、「判決謄本」を提出せよ、ということが書いてありますが、判決謄本というのは連邦裁判所でなければまず存在しません。というか、判決謄本という意味が曖昧です。
通常、たとえばカリフォルニア州裁判所ですと、判決は言い渡されますが、その内容は裁判官が署名するものではなく、書記官がフォームに記載する形になっています。そのフォームのサーティファイド・コピー(Certified Copy)というものが一番判決の内容が記載されたものに近いのです。ですが、判決そのものではないので、Certified Copyといってもそれで、大使館・領事館の要件を満たすとは限らないのです。後日「もっと書類を出してください」ということになりかねないわけです。ですから、そのような場合には、判決の部分だけではなく、その他のコンピュータプリントアウトや、経過を示す書類もサーティファイド・コピーとして提出するようにした方が良いと思います。裁判ファイルをコピーするのにはそれなりのお金、数ドルから数百ドル、かかる可能性はあります。しかし、判決だけではなく裁判ファイル全体をコピーすることをお勧めします。

もし、犯罪歴があったとして、その犯罪歴の事を隠して申請書を作成して提出すると、移民法上、「欺罔(相手を騙す)行為」を行ったと見なされてしまいます。「欺罔行為」があったと見なされてしまうと、移民法上、今度はアメリカへの再入国を禁止されてしまう可能性がありますので、その点注意してください。

また次回新しいトピックを考えていきたいと思います。  
Posted by jinkencom at 18:03

2007年08月03日

外国人がアメリカ出国時に気をつけなければならないこと

安倍政権、大変なことになっていますね。しかし、今更いろいろ閣僚を変えたり、政治とカネの問題を修正しようとしても、遅いように思うのですが、皆さんはどのようにお感じになるのでしょうか。大人なのに、選挙の結果を踏まえなければ反省ができないというのでは政治家としての実行力がなさすぎるように感じます。今度の選挙では実行力や判断力がない政治家に対して人々が審判をくだしたのかもしれませんね。

今回のじんけんニュースは、アメリカ出国の話題です。
アメリカに入国する際にはビザの問題などいろいろな話題がありますが、出国の時の話題というとあまり考えたことがないのが私にとっても本音です。日本や中国などでは、出国の際の審査も必ず存在しますね。ところがアメリカでは、出国審査というのは存在しないですよね。なので、出国の時にトラブルになることはまずない、というのが今までだったかもしれません。
しかし、今後は気をつける必要があると思います。ビザを持ってアメリカに入国するすべての方々に以下の内容は妥当しますし、気をつけなくてはいけない内容だと思います。

さて、外国人の方がアメリカに入国しようとすると飛行機の機内で通常I-94というフォームが渡されます。縦長のちょうど七夕の短冊が巨大化した感じのものなのですが、皆さんもアメリカに来られたことがあれば必ず目にしていると思います。ビザなし入国すなわち、ビザウェーバープログラムでアメリカに入国する場合は、薄緑、そしてビザを保持している状態で入国する場合には白い用紙を使って入国をします。記載する内容は、名前や滞在先、飛行機の便名などどこの国でも入国の際に要求する書式だと思ってください。特殊なことは何も書かれていません。

入国に際して、巨大短冊のようなI-94の上部分は切り取られ下部のちょうど正方形くらいの部分が皆さんに切り取られ渡されます。通常、大きなステープラーでパスポートに「がちゃり」とつけられますので、すぐになくなることはないとは思います。余談ですが、I-94というのは、皆さんがアメリカに滞在できる最長の期間を記載しているので、必ず入国した際には、I-94におされるスタンプの日付けはパスポートを仕舞う前に確認してください。

このI-94は皆さんがアメリカに滞在している記録でもありますが、同時に出国したことを証する記録でもあります。ですので出国する際に、返却しなければ出国したことにならないので、そのままアメリカに滞在している、すなわちオーバーステイと見なされる可能性がでてくるのです。通常は、出国の際に、航空会社のカウンター等で、パスポートが必ずチェックされますので、そのチェックの際にI-94をパスポートと分離し、I-94を出国の際の航空券とステープラーで一緒にします。そうすれば、皆さんが搭乗する際に必ずI-94は航空会社に渡り、航空会社はそのI-94を政府に渡すという仕組みになっているのです。
ところが何らかの理由でI-94を出国の際に渡し忘れる場合があります。たとえば、乗り継ぎ便があり、出発地ではアメリカ国内便に乗るが、日本行きの国際線に乗り換えるといった場合、国内便のカウンターではI-94を確認するのを怠る場合があります。また、飛行機ではなく、船や陸路で出国する場合にI-94の提出を怠る場合が考えられます。

このようにI-94を出国の際返却し忘れた場合には、ちゃんと後日で構いませんので、処理をしておいた方が再入国の際に問題にならなくて良いです。もし、「オーバーステイ」と見なされてしまうと、後日再入国の際に説明するのも面倒くさいですし、トラブルに巻き込まれる可能性があります。この「出し忘れ」の場合には、移民局はちゃんと後日の処理方法を規定しています。

まず送付先ですが、宛先はACS Inc.で、住所は1084 South Laurel Rd., London, Kentucky 40744 と決められていますので、封筒に送り主の情報を書くとともに必ず、このアドレスを使ってください。

ではどのような書類を送れば良いのでしょうか。
まずオリジナルのI-94を送ります。それに加えて出国の際に搭乗した飛行機のボーディングパスが必要です。加えて、パスポートの顔写真のはいったページと日本に入国した際のスタンプがおしてあるページを送るべきでしょう。簡単な経緯を示す手紙を沿えてもよいかもしれません。もし書類がないと後日再入国の際にトラブルになるかもしれませんので、できるだけの書類を添付して出すようにしましょう。そして大事なことは、書類を送るときには、一切の書類のコピーを持っておくことです。再入国の際問題が発生しそうになっても書類やI-94のコピーさえ手元にあれば、その場で説明できますよね。ただ、ACS Inc.によって、ちゃんと情報が記録されたかは少なくとも4ヶ月程度必要になります。

もし、上記のようにI-94を送って、記録がちゃんとされているか確認したい場合に方法が用意されています。しかし、以下の方法はI-94を提出しなかった、という場合にだけ有効ですので、その他の場合の確認方法ではありませんので、この点注意してください。
確認をする場合には、リクエストする書類に、自分の名前、住所、誕生日、パスポート番号、パスポート発行国、出国日、その他関連する情報を書き、"Please inform me whether my depature was recorded."と記載してください。その上で、リクエストの書類を以下の住所に送ってください。
宛先: U.S. Customs and Border Protection Air Sea Passenger Operations,
住所:Room 5.4D, 1300 Pennsylvania Ave., N.W., Washington D.C. 20229.

「入り鉄砲出女」といいますが、最近まではアメリカは出国にはあまり興味がなかったので、「入り鉄砲」状態でした。しかし、今後は「出女」にも注意を払っていくということなので、出国の際も気をつけてください。また、空港によってはコンピュータ化された出国お助けシステムが試験的に導入されているところもありますので、ぜひ活用してみてください。

それでは次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。
それまでさようなら。  
Posted by jinkencom at 18:12