2006年06月21日

H-1Bビザ新規申請枠受付終了−その後

サンフランシスコは雲一つない青空です。昼ご飯を食べたあと、外でぼっとしていると事務所に帰りたくなくなってしまいます。やはり良い天気というのは何にも変えようがないものですよね。

さて、H-1Bビザの新規申請受理数が、すでに上限に達してしまったというお話はじんけんニュースで前に取り上げました。2006年5月26日以降は、移民局は新規申請分のH-1Bビザを受理していません。5月に急激に受理数が増加した、という印象を受けましたが、原因はバーモントの移民局サービス・センターのコンピュータシステムにどうも問題があったらしいという話です。つまり、バーモントで受理したH-1Bビザがカウントされていなかったらしいのですね。そのおかげで、すでにバーモントで受理した分が5月になり一気に足されることになり、26日のXデーを迎えたということなのです。迷惑な話です。なかなか書類をそろえることができず、申請が間に合わなかった方々も少なくありません。
5月の発表受理数が急激増加したおかげでとんでもないことになりました。今後はバーモント・サービス・センターがH-1Bの受理、審査を一括して行うことになりそうですが、果たしてうまくいくのか現状から不安ですね。

さて、話はだんだん細かくなりますが、5月26日に受理した件数が、法律で決められている新規発行分6万5千件を越えている可能性があるので、どのように6万5千件以内に収めるのでしょうか。移民局の見解では、ランダムに抽選をするということにするようです。26日に受理されても、抽選の結果、90から100件の申請分に関しては不受理扱いになるということです。この不受理扱いになったケースについては、申請費用については申請者に送り返しますが、書類については、最終的な受理数をカウントすることを待って、決めるそうです。
つまり、最終的に承認されるケースが足りなくなれば、この抽選漏れのケースを受理する意向を示しています。その際には再度、申請費用を払う必要がでてきます。

5月26日に間に合わなかったケースについては、申請費用とともにすべての書類が送り返されることになりました。しかし、送り返される申請書類については、電子的に記録をしており、移民局はもし承認分が足りなければ、その送り返した申請者に対して再度申請書提出の通知をすることにしています。

以上がぎりぎりに申請されたH-1Bビザ申請書の扱いの詳細です。しかし、驚きの速さで埋まってしまったH-1Bビザですから、少々議会も数の増加や他の申請枠等活発に議論をして欲しいものです。外国人労働者が国のパワーの一つでもあるのがアメリカですからね。また、次回新しいトピックを考えていきたいと思います。それではまた自戒まで、さようなら。
  
Posted by jinkencom at 17:26Comments(0)TrackBack(0)

2006年06月05日

プレミアムプロセッシング申請の拡大

このじんけんニュースをお読みになる方々で、H−1Bビザを今年新規申請される予定の方は残念でした。すでにアメリカ移民局は今年の受理分を不受理にすることで決定をしました。2007年度分、つまり、今年の10月から有効な分である案件はすべて埋まってしまうと移民局は考えているからです。残念ながらまた来年の4月を目処に申請案件を練り直してください。また、他のビザでの申請が考えられる方は、早急にEビザLビザなどの申請ができるかどうか、ご自身のことを担当する弁護士と話し合われることをお勧めします。

さて、今回の話題ですが、私が以前から批判を繰り返しているプレミアムプロセッシングの適用枠が拡大されたことに関する話題です。今回移民局が発表した適用枠の拡大は、永住権申請(雇用ベース)の第一段階であるI-140に関してと、非移民および移民のステータスの変更申請(I-539)、それに雇用ベースで非移民または資格無し状態から永住権にステータスを変更する申請書類(I-765)に及ぶことになりました。

まだ、移民局からオフィシャルなアナウンスはされていませんが、上記の申請にはプレミアムプロセッシングが適用されることになりました。プレミアムプロセッシングについてあまりご存じでいない方に簡単に説明しますと、通常の申請では数ヶ月、場合によっては一年ほどかかるプロセスを、追加料金を払うことによって数週間で結果を出すという仕組みです。追加料金は安くはなく、1000ドル以上と考えて頂ければ良いと思いますが、企業によっては多用しているところもありますし、結果が早くでるので、弁護士にとっても、案件を早く進められることから別に悪い仕組みではないと考えられています。もちろん私どもも多くの申請案件について、プレミアムプロセッシングを利用させていただいて、クライアントには満足頂いている制度なので、ぶつぶつ言える立場にないかもしれませんが、ビジネスだけの目的として弁護士をやっている訳ではないので、少々私の論理を簡単な言葉で説明して、皆さんにも考えていただきたいと思います。

私はクライアントのために仕事をしている訳ですし、ほとんどの弁護士がそのように事件をお金をもらって受任しているわけですから、受任した事件に対して早く結果を出せれば良いとおもっている訳です。しかし、そのプロセスにつけ込んでアメリカ政府が特急料金を支払えばはやく案件を処理するという態度を取ってよいのか、私は常々疑問に思っています。一律に申請料金を値上げして、案件の処理を早めるというのであれば問題はないかもしれませんが、お金を持っている人、払える人に対しては申請を早め、他の人には著しく遅い処理時間を課している、というのは法律上問題があると思うのです。外国人であろうとアメリカ人であろうと、アメリカという国は少なくともアメリカ国内にいる人々に対しては一律に「権利」としてデュープロセス(Due Process)があることを法律上認めています。デュープロセスというと難しい言葉なのですが、一人一人その人がどのような人であろうとも平等に、政府が行うプロセスは受けられるということを保障していると考えていただければ良いと思います。ここで、アメリカ国内にいる外国人に対して、このプレミアムプロセッシングは「いくら払うか」で取り扱いを変えているという事実がある訳です。たしかに経済的な差別というのはある程度許されるということは、判例上も認められていますが、政府に対する申請に関して、「いくら払うか」ということで差別的な取り扱いをするということ
は、私はアメリカ憲法に合致しないプロセスだと思っています。こんなことを言う移民弁護士はほぼアメリカにはいないかもしれませんし、受け流していることかもしれません。しかし、アメリカでがんばってやっていこうとする外国人を受け入れるのがアメリカであるはずです。そのことを阻むような法律上の取り扱いに関しては私は納得がいっていません。私だけが熱くなっても法律は変わりません。プレミアムプロセッシング案件で不合理に扱われた人が、訴訟を起こす決意をして私を訪れてくれるというシチュエーションを待つしかないと思っています。しかし、移民で成り立っているアメリカで、払うお金で差をつけるというのは嘆かわしい現実だと私は思っています。皆さんはどう思われますか?
また次回、新たなトピックを考えていきたいと思います。それではまた次回まで、さようなら。
  
Posted by jinkencom at 13:04Comments(0)TrackBack(0)