2005年07月31日
国務省の発表について−ワールドワイド・ビジネス・ビザ・センター
2005年7月15日の発表で、国務省はワールドワイド・ビジネス・ビザ・センターをオープンするということを発表しました。日本人や企業には直接関わりがないかもしれませんが、アメリカの企業が外国人を雇用する場合に利用できる施設です。ビジネス・ビザ・センターはアメリカ企業が外国人をB-1ビザで呼びたいときに、サポートしてくれる役目を担います。他のビジネスビザはいまのところ扱いません。外国人がビザスタンプを取得するには自国のアメリカ大使館、または領事館でパスポートと申請書類、さらにアメリカの企業からの招待レター(Invitation Letter)などが通常必要になります。このプロセスのなかで、アメリカの企業から、申請者が書類をアメリカの企業から得て、さらに大使館・領事館に提出するというのが今までのパターンでしたが、ビジネス・ビザ・セン
ターは、アメリカ企業と大使館・領事館のコミュニケーションをつなぐ役目も行っていくことになりました。
B-1ビザは、ビジネスのために使うには、アメリカ国内での雇用には使えませんが、たとえば、アメリカ国内で行われるコンベンション(展示会)や会議に出席する場合や、契約を交渉するといった場合には主に使われています。短期のビザですが、重要な役割を担っていますので、今回センターがつくられたようです。ビジネスビザセンターの連絡先は、 BusinessVisa@state.govで、電話番号は (202) 663-3198です。
また、センターはアメリカ企業向けに、様々なセミナーを開き、外国人をアメリカに招くためのステップなどを説明する役割を担います。セミナーは国務省のイントラネット上で行われます。イベントについては、上記連絡先から情報を得ることができます。
なぜ、このようなセンターができたのか、というとたぶんアメリカが中国との関係を強化していくことを念頭に置いているのだと思います。現在、Bビザに関しては日本人は必要なく、ビザ・ウェーバープログラムを使えばアメリカに入国できます。しかし、中国のパスポートであると、どうしても、Bビザを取らなければ、アメリカに入国できませんから、今回のセンターの設立につながっていったのだと考えられます。
さほど、日本企業や日本人には影響がないニュースかもしれませんが、今アメリカは中国に関心が向いているということは、知っておくべき事柄ではないでしょうか。それではまた次回、また新しいトピックを考えていきましょう。
2005年07月16日
ビザなし入国に関する改正点
ビザなし入国(ビザ・ウェーバープログラム)を使って入国する場合には、必ず機械読み取り式のパスポートを使用することが義務づけられた、ということは前から何回かじんけんニュースで取り上げてきました。前回ご紹介した段階では、機械読み取り式パスポートでなくても、一回だけは入国を許可されました。ワン・チャンスがあったわけです。ところが、このワン・チャンス期間は2005年の6月26日で終了しますので、同日から機械読み取り式パスポートで入国することが厳しく義務づけられ、その機械読み取り式パスポートを持っていない外国人をアメリカに連れてきた航空会社は一人につき3300ドルの反則金を納付しなくてはならなくなります。ですので、空港でのチェックは厳しくなるのではないかと考えられます。
もう、日本のパスポートをお持ちの方で、古いタイプのパスポートをお持ちの方はいないとは思いますが、一応、ご自身のパスポートが機械読み取り式であることは事前に確認された方が良いと思います。
今回のニュースは短かったですが、それではみなさん、次回までさようなら。
2005年07月13日
会社内転勤用非移民ビザの”Lビザ”に関する新しい立法
今回のじんけんニュースは、昨年立法されたLビザに関する立法(L-1 Visa Reform Act of 2004)に基づき、移民法が改正されましたので、改正点を考えていきたいと思います。基本的なLビザの役割については、じんけんのサイト内で確認してください。
一番大きなポイントはL−1Bビザ、つまり「特別な知識を持った被雇用人」というカテゴリーのビザについて、「アウトソーシング」が基本的に禁止されるということです。説明がないと意味がわかりにくいと思いますので、ここで考えておきたいと思います。
今まで、外国人を合法的に「安く」使うためにL−1Bビザがアメリカで潜脱的に使われていた事実がありました。Hビザは、外国人を雇用するにあたり、労働局の許可を得なくてはなりませんが、これは外国人を雇うに際して、最低限度の賃金を定めているので、安い給金で外国人を雇うことは法律上やってはいけないことが決まっています。ところが、Lビザの申請条件に、給与を定める項目はあるのですが、政府は最低賃金というのを要求していませんでした。この盲点をついて、大きな会社が、子会社を外国につくり、1年間外国人をその場所で働かせて、アメリカにL−1Bビザを使って連れてくるという方法を利用していました。L−1Bビザを使ってアメリカに来た外国人を、親会社ではなく、関係の薄い会社などで低賃金で働かせるという事実が明るみに出てきました。このようなバックグラウンドがあったため、今回Lビザの改正が行われました。L−1Bビザで入国してきた外国人をスポンサー会社ではなく、別の場所において作業させることを「アウトソーシング」と呼んで今回禁止されることになったわけです。
立法の過程で苦労はあったと思われますが、「アウトソーシング」については、ビザのスポンサー会社が仕事を監督・コントロールしていない限り禁止されました。つまり、アメリカ国内に所在するAという会社が外国人Xさんを雇っているとすると、XさんはAという会社内、またはAが監督している範囲内の会社で働かなくてはなりません。Aが派遣会社のような役割をして、契約などを使ってXさんを関係のないB会社などで働かせることはできなくなりました。これが「アウトソーシング」の禁止です。
もちろん、今回立法された法律の「監督・コントロール」という範囲がこれから問題になってくるとは思います。この点に関しては、Lビザをスポンサーしたいと思っている会社は、保守的に考えていった方がしばらくの間は良いと思います。これから判例がでてくる論点でしょうね。
この「アウトソーシング」に関する規制は、2005年の6月6日以降、移民局に受理された申請について適用されるということになりました。この受理については新規および延長申請が含まれます。
もうひとつの大事な改正点は、今まではアメリカ国外で半年働けば、Lビザを申請できるという特例があるケースが存在しましたが、その例外規定がなくなったという改正点です。今回の改正でアメリカ国外で必ず最低1年間働かなければ、Lビザを申請することはできなくなりました。この規制も2005年6月6日から適用されることになります。
それではまた次回まで、さようなら。