2004年01月16日

不法移民労働者の合法化について

アメリカでBSEと思っていたら、今度は日本では鶏のインフルエンザが問題視されています。エイズも動物からうつって来たと言われていますが、やはり生命力的には、野生の動物に比べて人間というのはもろい部分があるのでしょうかね。これだけいろいろな新種の病気などがはやっている世界ですから、健康に生活できることに対して感謝をしなければならないのでしょうね。皆さんお元気ですか。

さて、2004年の1月7日にアメリカのブッシュ大統領は、実質上はメキシコの政治家に圧された部分は強いですが、不法移民労働者の合法化をある程度行うということを一般に発表しました。現時点では、今回のプログラムに関する詳細は決定されていませんが、骨子についてはブッシュ大統領が以下のような内容を明らかにしています。また、詳細が発表されたら、JINKEN.COMニュースでも取り上げていきたいと思っています。

今回の改正を加速させたのが、メキシコとの国境の問題です。国境を通り、多くの不法就労者がアメリカに入国してきているわけですが、入国者を公に把握しておくことで、テロなどのファクターを減らそうという印象があります。その他の今回の行政立法政策において、不法移民を合法化することで、将来自国に帰りやすくするということや、将来永住権の申請を促進すること、アメリカでアメリカ人が不足している事業の活発化を促すこと、などが目的となっています。

今回の不法移民の合法化を受けて、今まで合法にまじめにやっていない人が不利益を受けないように様々な工夫をすることがあきらかになっています。たとえば、今回の不法移民の合法化の利益を享受できる人を一般の永住権申請者に優先するようには取り計らうことはしないことも、明らかにしていますし、永住権申請者が増加することを予測して、受理数の上限を引き上げることも考えているようです。ですので、現在合法にてアメリカに滞在する外国人には利益も不利益もないと予測されます。

外国人に対する利益不利益のみではなく、アメリカ企業に対しても外国人雇用につき安定性を与える役割を今回のプログラムは考えているようです。すなわち、外国人労働者の雇用につき、適当な人を見つけられること、不法外国人を雇用する危険性を減らすこと、他のアメリカ人労働者の雇用を守り、健全な労働環境を提供することなどが盛り込まれています。

現在わかっている手続きについては、各不法滞在者は移民局または政府が将来指定する連邦の役所に対して、一回の手続き金を支払い、登録を済ませます。登録を済ませると、連邦政府から、現在の予定では3年間の労働許可証が与えられ、3年後に更新をすることも許されるという方法が採られるようです。また、この労働許可証を持っている間は、永住権の申請なども行えるようにできる方向で考えられています。また、将来的には、アメリカ国内に滞在する不法移民に対しては適用せず、外国からアメリカに就労にくる外国人にのみ適用することを考えているようです。

どのような書式、またどのような情報を連邦政府に対して提出しなくてはいけないのか、現時点では不明ですので、今回のブッシュ政権の意向を受けて、詳しい設定がされた時点でまた考えていきましょう。
また次回までさようなら。  
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2004年01月03日

入国管理事務における変更

あけましておめでとうございます。今回のニュースは私が北米毎日新聞で連載する法律ノートをご覧になっている読者の方々には焼き直しになってしまっている記事なので、すでに内容をお読みの方は、重複してしまっていることをあらかじめお詫びします。しかし、今回の話題は、日本人や他の外国人でアメリカに入国される方々には非常に重要な問題ですから、多くの方に知っていただきたいと思い、今回は焼き直しをさせていただきます。
今回考える話題ですが、多くの日本人や外国人に影響する内容ですので、ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。外国人のアメリカ入国に際して米国移民局の入国管理が厳しくなってきているということを以前のじんけんニュースでもご紹介したと思います。今回、移民実務の改正が通達され、一定の外国人の指紋の採取および写真の撮影を義務づけはじめました。公式には2004年1月5日から実施されるはずでしたが、サンフランシスコ空港の入国管理を含め、複数の空港では、すでに2003年12月31日から実施をはじめています。

まず、今回の入国管理実務の変更がなされた背景を考え、実際にどのように変更されたのか、考えていきたいと思います。
そもそも指紋採取を強制されるというのは、日本でも在日外国人の指紋押捺などが一昔前に問題になったことがありますが、一般的に「犯罪者扱い」されているという感覚があると思います。入国する外国人に対して指紋と写真を要求するというのも前代未聞ですが、アメリカに入国したければ必ず通らなくてはいけない儀式になってしまいました。そもそも、9月11日事件から、アメリカは外国人に対して過敏になっているところもあります。しかし、飛行機をハイジャックしたメンバーの外国人がアメリカに入国する際にBビザやFビザを使っていたことが明らかになったという背景もあります。9月11日の事件が今回の改正につながってきたことは間違いないのですが、その波に乗って、外国人の犯罪者や移民法違反者などを取り締まるという意向が強く反映されるようになりました。結果、私が担当している事件でも、10年以上前の犯罪歴を問題にされ、永住権を持っていても強制送還の手続きをはじめられてしまうという例がいくつもあります。過去の不法滞在等の情報についても、移民局に記録が残っているものに関しては、必ず入国に問題にされています。このような背景の中、今回の入国管理実務の変更につながっているのです。

それでは実際どのように指紋を採取され、写真を撮られるのでしょうか。すでに、いくつかの空港では導入されていますが、各入国審査のカウンターに指紋を採取するコンピュータの端末と直径6センチ程度のデジタルカメラが備え付けられていて、コンピュータとつながっています。今回の変更に伴い、各入国審査カウンターのコンピュータには新しく外国人を管理するプログラムがインストールされています。また、機械で読みとれるパスポートの情報も、そのプログラムに入力されます。指紋の採取はコンピュータ化されていて、両手の人差し指をカウンターの上にあるガラス製の読みとり機に載せることで行われます。写真もコンピュータに直接映し出される方式がとられています。移民局の見解ではこの一連の手続きを行うのに関し、30秒程度かかるということですが、施行されてからしばらくのうちは、相当時間がかかることが考えられます。なぜなら、パスポートの情報、ビザの情報、指紋、写真を一つのデータベースに入国の際、各入国管理官がまとめなくてはいけないからです。ですから、これからアメリカに入国を考えている外国人の方々は、2004年のはじめ、少なくとも数ヶ月は入国に相当時間がかかることを覚悟しておいてください。今のところ、ビザなし入国のケースには適用しておらず、ビザ所持者に対して、指紋と写真を要求していますが、そのうちすべての外国人に対して要求するようになると思われます。「郷に入れば郷に従え」ということわざがありますが、「郷に入りたければ郷に従え」というのが今回の法改正には適切かもしれません。外国人にとってはうれしくないニュースですから、アメリカ離れが起きなければ良いと思っています。

それでは、今年もJINKEN.COMを宜しくお願いいたします。皆さんにとって平和で幸せな年になることを心から祈っています。また、次回新しい移民法の話題を考えていきましょう。  
Posted by jinkencom at 09:10Comments(0)TrackBack(0)